しかし、日本での人民元FXの商品には、投資対象としてOKなものと、デメリットだらけで論ずるに値しないものが混じっており、注意が必要です。では、その人民元FXの種類を分類してみます。大きく分けて
- 東京金融取引所に上場する「くりっく365」
- 一般的な人民元FX(セントラル短資など)
一方で、一般的なFX会社のものでは、円売り元買いのスワップ金利は、ずっとプラスが続いています。セントラル短資、KakakuFX、上田ハーローなど、あらゆるFX会社共にです。
くりっく365と、それ以外のFXとの違いが出る理由は、人民元の取引場所です。くりっく365で扱う人民元は、中国本土で中国人民銀行が管理するマーケットで取引されます(CNY)。一方で、セントラル短資などで売買できる人民元は、香港のオフショア市場で自由に取引されている人民元を原資にしています(CNH)。管理されているマーケット(CNY)での売買では、中国人民銀行の意向によって、人民元の調達に制限が掛かるため、買いでも売りでもマイナススワップを支払う形で、顧客がコスト負担をしている訳です。よって、人民元FXを行うのであれば、プラスのスワップ金利が見込める『くりっく365以外の種類』のFX会社を選ぶべきです。
ちなみに2012年7月に人民元FXを開始したセントラル短資では、当初のスワップ金利が続けば、年間で2.3%ほどの利息が付く計算になりました。日本の銀行金利がゼロである事を考えれば、魅力的な金利です。しかもFXですから、レバレッジを掛ける事も可能です。例えば、レバレッジ3倍で円売り元買いを行えば、年間で約7%の金利が得られる訳です。
但し注意点として、オフショア人民元FX(CNH)の場合でも、米ドルやユーロなど他の通貨に比べれば、圧倒的に流通量が少ないので、スワップ金利は乱高下しやすいです。また、2013年夏現在、中国ではGDP成長率の鈍化や、シャドーバンキング問題の表面化など、経済不安が高まっています。政策金利が利下げとなり、スワップ金利がゼロに近くなるリスクも、十分考えられます。