RQFIIとQFIIの違い

中国の人民元に対する、外国人の投資制度には、QFIIとRQFIIという2種類があります。前者については、以前のページで記した通りです⇒QFIIとは

人民元切り上げの日本への影響

当ページでは、人民元切り上げの影響を検証しています。前回に、人民元切り上げが中国国内に与える影響として、輸出が減少する事や、不動産バブルを助長する事などを説明しました。

では今度は、人民元切り上げが日本経済に与える影響について、検証してみます。

人民元切り上げの影響~中国国内編

他のページで述べているように、中国の通貨=人民元の為替レートは、政府(中国人民銀行)により完全にコントロールされています。そしてこれまで、人民元は何度も切り上げ・切り下げを繰り返されてきた歴史があります。

人民元が切り上げられると、経済にどのような影響が出るのでしょうか? 中国国内と世界、及び日本への影響を分けて考える必要があります。

中国株は暴落するのか?

中国株投資や人民元預金を考える上で、懸念材料だったのが中国で不動産バブルが起きている事でした。そして2013年夏、突然のように日本のメディアを騒がせた中国のシャドーバンキング問題。中国の不動産バブルは、上物の価格だけでなく、その根底を支えている融資制度からゆがんでいた事が明らかになりました。シャドーバンキングの規模は130兆円以上、アメリカのサブプライムローンと同レベルとも推計されており、これは極めて深刻な問題です。

では本当に、中国の不動産バブルは崩壊するのでしょうか?だとすれば、中国株(上海・香港)も暴落するのでしょうか?

人民元が切り下げの可能性もある理由

人民元が中国人民銀行による為替操作で、円やドルなどに対して、非常に割安なレートに保たれている事は、当サイトで何度も解説した通りです。そして、人民元投資を奨める人・業者の多くが、将来の人民元切り上げで、円安による為替差益が得られる確率が高い、と主張しています。当サイト管理人も、長期的には人民元は切り上がって行くものだと考えております。

しかし、短期で見れば話は別です。中国国内の景気動向次第では、1994年1月の時と同じように、突然、人民元を切り下げてくる可能性は、十分あり得ると考えます。

人民元FXの種類

中国政府の為替管理により、外国人への門戸が閉ざされていた人民元投資も、近年では徐々に解放に向かっています。特に2010年以降は、日本でも人民元のFX(外為証拠金取引)が登場し、手軽に人民元切り上げの為替差益を狙える投資として、注目が集まっています。

中国の預金準備率推移

中国政府は、景気の調整を行う金融政策を、政策金利だけでなく、預金準備率も使ってコントロールしています。預金準備率・政策金利は共に、中央銀行である中国人民銀行が決定しています。近年の中国の預金準備率推移は、以下の通りです。2012年5月以来、預金準備率は変わっていません(2013年7月現在)。